女性活躍・両立支援に積極的に取り組む企業の事例集

厚生労働省

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2021年度

株式会社栄和産業 (製造業)

ものづくりの世界で活躍する女性の増加を目指しています

認定マーク

企業プロフィール

設立
1974年
本社所在地
神奈川県綾瀬市
事業内容
製造業(輸送用機械器具製造)
従業員数
168名(うち女性30名)
企業認定・表彰等
えるぼし(認定段階3)、ダイバーシティ経営企業100選 / 新・ダイバーシティ経営企業100選

取組内容

女性活躍推進女性職域拡大女性採用拡大仕事と育児の両立支援

特徴的な制度・取組など

  • 女性の応募者を増やすため、女性が活躍できる業務や職場であることをアピールするパンフレットや動画を制作。
  • 女性従業員が製造現場で働く上での課題を明確にするため、全新入社員に対して製造現場での実習を実施。
  • 工場に女性専用のトイレを増設。

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インタビュー

  • 代表取締役社長
    伊藤 正貴さん

取組のきっかけ・経緯
女性活躍推進法の施行をきっかけに、女性の積極採用を開始

 当社では、ダイバーシティという言葉が世の中に広まる前から、障がい者や外国人、高齢者を受け入れ、ともに働いてきました。働きたいという気持ちがある人には平等に機会を提供すべきというのが当社の考え方です。採用面接の段階では少し心配があった従業員が、仕事を通して成長していく姿を見ると、とてもうれしく思います。以前から多様な人材が働く職場ではありましたが、機械製造業という特性上、女性従業員は多くありませんでした。しかし、将来的に労働力人口が減っていくことが予想される中、ものづくりの世界にも女性を増やしていくことが必要なのではないかと考え、2016年の女性活躍推進法の施行をきっかけに、女性の積極採用に取り組み始めました。

具体的な取組の内容
パンフレットやYouTubeで学生に職場を知ってもらう工夫を実施

 女性の応募者を増やすためには、当社の業務や職場の様子を知っていただき、「製造業は男性中心」というイメージを払拭することが必要と考えました。工場ではデジタル化や機械化が進み、力を必要とする仕事ばかりではありません。また、品質管理やCADを用いた作業等の向き不向きに性別は関係ありません。当社のものづくりの現場を伝えるため、会社案内のパンフレットの内容を見直したり、YouTubeで職場案内の動画を制作し、男女問わず活躍できる職場であることを知っていただく工夫をしました。
 また、製造現場で女性が働く上での課題を明確にするため、事務職として採用した女性従業員を含む全新入社員に製造現場での実習を実施しています。明らかになった課題は、経営層や現場長で検討し、改善に取り組んでいます。そのほか、工場に女性専用のトイレを増設する等、施設の整備も行いました。

取組の成果・取組を進めたことによる効果等
お互いを理解するためのコミュニケーションが活発に

 取組の結果、年々女子学生からの応募が増え、現在は30名の女性従業員が働いています。うち4名は技能職、1名は営業に配属されています。女性従業員が増えてから、上司と部下、従業員同士がお互いを理解するためにコミュニケーションを密にとるようになったと感じています。以前は「男性同士、言わなくてもわかるだろう」という雰囲気があったのですが、業務上の連絡やOJTが丁寧になり、男性従業員にも良い効果をもたらしています。また、女性従業員同士で情報交換や困りごと相談をする中で、部門同士の連携が生まれました。部門を超えた助け合いや、担当以外の業務への理解が進み、会社としての一体感が増したと感じます。そのほか、波及的な効果としては、女性が働くことを意識することで、より安全な、よりきれいな職場づくりを心がけるようになりました。その結果、全従業員にとって、働きやすい職場になってきたと感じています。
 女性活躍推進法に基づく一般事業主行動計画の目標では、女性技能職2名、新卒の女性採用比率10%以上を掲げており、いずれも達成しています。2021年の新卒採用の男女の採用比率は、目標以上の各50%になりました。
 2019年には、えるぼし認定3段階目を取得しました。えるぼし認定に関して、取引先から「頑張っているね」とお声掛けいただいたり、地域のメディアから取材を受けることもあり、「インクルーシブかつダイバーシティ経営」は、当社の良さを知っていただける代名詞になってきたと考えています。

取組を進めるにあたっての工夫・苦労
適材適所でそれぞれの得意なことを伸ばしていく

 仕事を通じて、それぞれが得意なことを伸ばしていくことができれば良いと考えています。製造の現場長も、女性の新入社員の配属が決まった当初は戸惑ったようですが、今は戦力として大いに期待しています。性別にかかわらず、それぞれの強みや能力を発揮できるマネジメントや職場環境づくりを意識することが必要だと感じています。

今後の課題・展望
多様性を活かした経営を進めたい

 創業50周年に向けて企業理念を見直すため、従業員の意見を集約し、「ダイバーシティの力で笑顔あふれる未来を創りだす」という企業理念を作りました。従業員の思いから生まれた企業理念のもと、当社の強みである多様性をさらに経営に活かして行きたいと思います。また、ものづくりの場での女性活躍をより一層進めるため、従業員それぞれの得意なことを活かした人材育成に取り組んでいきたいと考えています。

従業員の声 制度利用者の声画像

男女ともに活躍できる当社の良さを伝えていきたい

企画部
柳沢 春香さん(右)
荒巻 瑞江さん(左)

ダイバーシティの推進によって風通しの良い社風に(柳沢さん)

 新卒で入社してから企画部に所属し、総務や広報、新卒採用等の業務に従事しています。また、会社として取り組んでいるダイバーシティの推進やえるぼし認定に関する業務も担当しています。数年前に私が入社した頃は、女性従業員の数は今よりも少なく、ほとんどの女性が総務部門など特定の部署に所属していました。しかし、女性従業員数の増加とともに、工場や営業などに女性が配属され、複数の部門で女性が活躍しています。女性同士で部門を横断して情報交換をしていますが、そのことが働きやすさや、業務の効率化につながっていると思います。
 会社の施策でありがたいと感じていることは、月に1回の顧問社労士による勉強会です。労務に関する質問や勉強をする場があり、総務部門での業務におけるスキルアップにとても役立っていると感じています。
 今後の目標としては、採用業務を通じて当社の魅力を伝えたいと思っています。入社時に感じたアットホームな雰囲気に加えて、ダイバーシティの推進によって、さらに風通しのよい会社になっていると感じています。

先輩から(荒巻さん)

 柳沢さんをはじめ、女性従業員が増えたことによる変化として、社内でさまざまな意見が出るようになったと感じています。意見が言えない職場は息苦しいですし、気軽な意見が積み重なって、良いアイデアが生まれることもあります。さまざまな人が働く強みを活かすことで、強い組織ができるのではないかと感じています。

(データの取材時点:2021年9月)

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