女性活躍・両立支援に積極的に取り組む企業の事例集

厚生労働省

女性の活躍推進・両立支援総合サイトトップ > 女性活躍・両立支援事例集トップ(事例検索) > 企業事例

2018年度

株式会社ベネッセコーポレーション (教育、学習支援業)

男女問わず「志のある人」が働き続けられる環境を整備し、従業員のワーク・ライフ・マネジメントをサポート

認定マーク

企業プロフィール

設立
1955年
本社所在地
岡山県岡山市
事業内容
教育、学習支援業
従業員数
2,340人(うち女性1,295人)
企業認定・表彰等
くるみん認定、えるぼし(認定段階3)、均等・両立推進企業表彰

取組内容

仕事と育児の両立支援テレワークフレックスタイム制事業所内保育施設女性活躍推進女性管理職登用

特徴的な制度・取組など

  • 法の施行に先駆け、育児休業制度、短時間勤務制度等を導入し、継続就業を実現。
  • 従業員のワーク・ライフ・マネジメントをサポートするため、スーパーフレックス制度、在宅勤務制度等を早い段階から整備。
  • 表彰の受賞等により、女性が働きやすい会社のイメージが定着し、採用力強化に寄与。

データベース・両立支援のひろばを見る

取組事例ダウンロード 

インタビュー

  • 株式会社ベネッセホールディングス
    グループ人財部 人事企画課
    鬼沢 裕子さん (左)

    株式会社ベネッセコーポレーション
    人財企画部 労務課
    課長
    藤原 美穂さん (右)

取組のきっかけ・経緯
女性を積極的に採用、継続就業に向けて取組に着手

 当社では「志を持った人が最大の資産である」と考えています。1970年代頃から女性を積極的に採用し、男女の分け隔てなく、すべての従業員が持てる能力を十分発揮できるような環境づくりに取り組んできました。 しかし、当時は女性従業員は結婚や出産を機に退職してしまうことが多かったため、それらを理由に退職することのないよう、1986年の育児休職制度導入を皮切りに、従業員が仕事と家庭を両立する上で必要なサポートをすべく、育児時短勤務制度導入(1992年)、企業内保育室設置(1994年)等、両立支援の取組を進めました。取組に着手した1980年代後半には男女の平均勤続年数には大きな開きがありましたが、取組を進めた結果、1990年代には結婚や出産を理由とする退職者は大幅に減り、勤続年数の差も縮まりました。その後も、仕事と育児を両立する従業員からの要望等を踏まえ、より働きやすい職場とするため、柔軟な働き方を可能とする制度として、スーパーフレックス制度(後述)の導入(1995年)、在宅勤務制度の導入(2009年)等の取組を進めてきました。
 1999年に、ファミリー・フレンドリー企業表彰に応募したところ、労働大臣優良賞を受賞しました。その後、さらに取組を進め、2008年、均等・両立推進企業表彰 厚生労働大臣最優良賞をいただくことができました。
 また、くるみん認定についても、当社の等身大の取組を評価いただき、これまでに2007年、2009年、2011年、2013年の計4回、認定を取得しています。

具体的な制度の内容
従業員の働き方の多様性を高める制度を導入

 当社の所定労働時間は7時間ですが、仕事と育児を両立する従業員からの要望により、1992年に5時間短時間勤務制度を導入しました。導入当時は子どもが小学校入学時まで利用可能としていましたが、2005年には小学校3年生まで拡充しました。 2010年には育児中の従業員のキャリア形成の観点から制度の見直しを行い、5時間短時間勤務の利用は復職後1年以内とし、以降は6時間短時間勤務制度を利用可能としています。短時間勤務制度は1か月単位で何度でも申請可能としているため、年度初めや子どもの夏休み期間等に一時的に短時間勤務をする従業員もいます。
 また、当社では、従業員の仕事と家庭の両立について、ワーク・ライフ・マネジメント(自立した従業員が自らのワークとライフをマネジメントする)という考え方に基づいて、働き方の多様性を高める各種制度を導入しています。1995年にスーパーフレックス制度を、全従業員を対象として導入しました。これは、コアタイムのないフレックスタイム制度で、7時~21時の間で勤務可能とし、1か月単位で清算しています。2009年には在宅勤務制度を導入しました。月5日間を上限とし、事前に上司に勤務予定を伝えることで利用可能としています。
 介護についても、1991年に介護休職制度、1996年から介護時短勤務制度を導入、2010年からは介護休暇を有給化しています。
 さらに、経済的な支援として、福利厚生カフェテリアプランメニューにも育児支援メニュー(ベビーシッターや託児施設等の利用)及び介護サービスを利用した場合のポイント補助があります。

制度導入による効果等
1990年代後半には結婚や出産を理由とする退職者はほぼゼロに

 両立支援の取組を進めた結果、結婚や出産を理由とする退職者は1990年代後半にはほとんどいなくなりました。また、均等・両立推進企業表彰を受賞した際はメディア等にも大きく取り上げて頂きました。 くるみん認定の取得についても、社外だけでなく、従業員にとっても両立支援に積極的な企業で働いている、という誇りにつながったのではないかと思います。
 女性が働きやすい職場としての認知度が高まり、女子学生からの応募が大幅に増加したことから、採用力の強化につながったと思っています。
 また、当社は子ども向けの教育事業を主としていますが、従業員自身が育児や自身の子どもの教育に携わることで、その経験が業務にも直結し、商品開発や営業等、業績面での効果も出ていると感じています。

今後の課題・展望
より柔軟な働き方ができるよう、既存制度の見直しを検討

 当社では、創業当初から男女平等という考え方のもと、人事評価制度を構築してきましたが、女性従業員の方がライフイベントによりキャリアが停滞することはありました。また、女性活躍推進法の施行に併せて、それまで、女性限定の研修はあまり行ったことはありませんでしたが、女性のキャリア形成のため、女性限定のキャリア研修や座談会を開催するとともに、産休取得前には面談を行い、復職後のキャリア継続について話しています(希望制)。これらの取組により、女性管理職比率は若干の上昇傾向(課長職以上で32.9%)にありますが、今後も取組を検討したいと考えています。
 また、在宅勤務制度について、現在の制度では、終日での利用しか認めておらず、部分在宅(数時間は職場で勤務し、残りの数時間を在宅勤務する等の利用)が出来ないことや、勤務場所も在宅限定としていますが、育児や介護を行う従業員から、より柔軟な運用を希望する声が多く寄せられています。今後、育児だけでなく介護と仕事を両立する従業員が増加することが見込まれることからも、働き方改革全体検討の動きの中で、より柔軟な働き方を可能とし、活躍をサポートする制度について、今後も検討を進めていきたいと考えています。

制度利用者の声制度利用者の声画像

自分ができることをしっかり行い、会社に貢献していきたい

株式会社ベネッセコーポレーション
人財企画部 企画課

村松 陽子さん

柔軟性高く勤務できることで育児と仕事を両立できました

 私は入社3年目に第1子が誕生し、1年間の育児休業を取得後復職しました。それから4年後に第2子が、さらに2年後に第3子が生まれ、それぞれ育児休業を1年間取得しました。いずれも復職後1~2年の間は育児短時間勤務制度を利用しました。まず復帰直後から約半年は5時間短時間勤務とし、その後は6時間勤務を利用してきました。今年の4月から、 フルタイム勤務にしています。
 在宅勤務は、月に2日程度、子どもの予防接種や体調不良等の際に利用しています。子どもが夏休みの時には、在宅勤務の日数を少し増やすことで、子どもが一人で過ごす時間を少なくするようにしています。また、フレックスタイム制度についても、子どもが体調を崩した時に通院後出社したり早めに帰宅したりするほか、授業参観、PTA等の学校行事においても利用しています。年次有給休暇の半日単位での取得と組み合わせて使うこともあります。
 子どもが小さい間は特に、急に体調を崩すことが多く、夕方急遽早めに帰らなければならないようなケースも多かったため、育児短時間勤務制度とフレックスタイム制度により、かなり柔軟に勤務できることで、仕事も育児も両立させることができて、非常に助かりました。

限られた時間内で生産性高く働くことを意識して

 子どもが小さい間は、自分が求められている役割を果たせているか、ということで日々葛藤がありました。勤務時間が短く、休みも多いことで、職場の皆さんに対して申し訳ない気持ちもあり、 卑屈になってしまいがちでした。しかし、限られた時間の中で、生産性高く働き、自分ができることを見つけて会社に貢献しよう、と気持ちを切り替えるようにしました。そして、予め上司としっかり摺り合わせをして、最短距離で目的にたどり着けるようにと考え、限られた時間内で成果を出すことを意識して勤務するようになりました。
 今はようやく、下の子が年少になってフルタイム勤務できるようになったので、これから少しずつ仕事の幅を広げていき、いずれは出張や、ボリュームのある仕事も手掛けていきたいと考えています。

PAGE TOP