女性活躍・両立支援に積極的に取り組む企業の事例集

厚生労働省

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2021年度

株式会社キャッチネットワーク (情報通信業)

従業員の働きやすさに寄与する各種制度の改善により仕事と家庭の両立を支援

認定マーク

企業プロフィール

設立
1991年
本社所在地
愛知県
事業内容
情報通信業(有線テレビジョン放送事業等)
従業員数
145名(うち女性45名)
企業認定・表彰等
くるみん認定、プラチナくるみん認定

取組内容

仕事と育児の両立支援フレックスタイム制テレワーク男性育児参画

特徴的な制度・取組など

  • 子育て支援手当等により、子育てをしながら働く従業員を金銭面でサポート。
  • 育休復帰者面談により、育児休業からの復職者の不安を軽減。
  • テレワーク制度、コアレスフレックス制度等により、従業員の働きやすさを改善。

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インタビュー

  • コーポレート本部 人事総務課
    千葉瑞希さん

取組のきっかけ・経緯
経営層からのトップダウンで取組がスタート

 取組を開始する以前は、所定外労働時間が月平均40時間以上という状態で、特に女性従業員の中には育児を行いながら、仕事を続けるという意識がありませんでした。女性従業員は妊娠したら仕事を辞めることが当然のようになっており、女性従業員の比率も勤続年数が長くなればなるほど減っていきました。このような状況の中、2013年に当社の経営層に外部から人事関連に精通した者が加わり、当社の当時の状況を見て労働環境の改善が必要だとの思いから、働き方改革に関する取組が開始されました。

職場の様子

具体的な取組の内容
仕事と育児・家庭の両立に寄与する各種制度

 当社では、以下のような制度を設けて、従業員の仕事と育児・家庭の両立を支援しています。
 
・特別休暇制度(思いやり休暇)
 本制度は、失効有給休暇を最大20日間積み立て、本人の傷病や、家族の育児・看護・介護に使用できる有給の特別休暇制度です。半日・1日単位での取得が可能となっています。制度ができた当初は本人の傷病のみに使用できる傷病特別休暇でしたが、制度の見直しを行い、本人の傷病のみならず家族のためにも使用できるよう改善しました。
 
・コアレスフレックス制度
 当社ではフレックス制度を導入していますが、従業員がより働きやすいよう、コアタイム(必ず勤務しなければならない時間帯)を設けていません。そのため、業務の繁閑に合わせ、出退勤時刻や勤務時間を柔軟に調整することができます。また、部署によっては業務の都合に合わせて遅くから出社したりと、1日の中で無駄な残業時間を減らすこともできるため、従業員のワーク・ライフ・バランスに合わせた利用が可能となっています。
 
・テレワーク制度
 本制度は当初、出張先での待ち時間等の隙間時間に業務を行うことを想定して制度を作りましたが、今では育児・介護を行うための在宅勤務にも活用され、従業員一人ひとりの状況に合わせて活用されています。緊急事態宣言下は、テレワーク制度利用率70%以上を推奨していました。
 また、本制度はコアレスフレックス制度との併用も可能です。
 なお、テレワーク制度・コアレスフレックス制度ともに、制度利用の際には上司への事前申請が必要となっています。
 
・ライフ充実手当、子育て支援手当
 当社では、有給休暇を3日以上含む5連休以上取得すると20,000円支給するライフ充実手当制度があります。本制度は上記の支給条件を満たせば年1回、毎年支給を受けることができ、従業員の利用率も高い制度となっています。
 また、子育て支援手当も用意しており、こちらは健康保険の被扶養者(子ども)に対し支給されるものですが、1人目の子どもに対し毎月15,000円、以降、1人増えるごとに毎月10,000円が加算され、子どもが満18才に到達した年度末まで支給されます。

育児休業をはじめとした仕事と家庭の両立のための各種取組

・男性の育児休業取得促進のための取組
 当社では、男性従業員でも育児休業を取得しやすい雰囲気づくりのために、管理職に制度等説明を行い、男性の育児休業取得は当たり前のことであると認識してもらい、管理職自らが部下に育児休業取得を勧める環境づくりを行ってきました。
 また、男女問わず、育児休業を取得することを前提として、人事総務課の課長が育児休業取得希望者とその上司との打ち合わせに入り、どのようにすれば育児休業が取得できるかを一緒に考えたり、育児休業取得希望者が所属する部署の課長が、育児休業期間中の業務対応のために派遣社員等の人員補給や、業務調整を行うことにより、従業員の育児休業取得に対する不安を解消するように努めています。
 
・育児休業からの復職やその後のキャリアについての不安を軽減するための取組
 当社では、育児休業からの復職の際の不安を軽減するために、以下をはじめとした各種取組を実施しています。
▶ 育休復帰者面談
 育児休業取得者が復職の際に一般的に不安に思われる内容を人事総務課でとりまとめ、育児休業取得者の上司に対し説明を実施し、育児休業復帰者との面談に役立ててもらっています。
▶ キャリアデザイン面談
 仕事と私生活について中長期(10年先)はどのような姿になっていたいかをキャリアデザインシートに記載し、その実現に向けた目標設定を行う面談を年1回実施しています。
▶ ワーク・ライフ・バランスセミナー
 従業員が働き方やワーク・ライフ・バランスについてより理解を深めるために、外部から講師を招き、働き方の見直し、育児・介護を行っている従業員との接し方などを学び、働き方やワーク・ライフ・バランスを考えるきっかけを提供しています。

取組の成果・取組を進めたことによる効果等
より自由な働き方が可能となりワーク・ライフ・バランスが更に充実

 各種制度づくりを行ったことにより、従業員の働き方が大きく変化しました。テレワーク制度やコアレスフレックス制度により、従業員はどこででも働ける環境となり、時間も自由になったことで、一人ひとりが効率的な働き方ができるようになりました。
 また、上記の各種制度づくりや各種取組を行ったことにより、ワーク・ライフ・バランスが促進され、従業員の有給休暇取得率の上昇や男性従業員の育児休業取得率が2016年度以降は100%になるなどの効果が出た結果、「プラチナくるみん」認定の取得(2020年)となりました。

取組を進めるにあたっての工夫・苦労
働き方改革の第一歩として所定外労働時間の削減を目指した

 取組を開始する以前は、所定外労働時間も多く、ワーク・ライフ・バランスを考える余地もありませんでした。そこで、従業員一人ひとりの生産性を向上させることで時間を創出し、一人ひとりが成長することで、新たな価値を創造することを目標に、まずは所定外労働時間の削減を目指しました。業務効率改善のために、各種制度の改善、経費システムの改善、業務の棚卸を行い、外部に委託できる業務は外部に委託するといった取組を行った結果、2020年時点では所定外労働時間も月平均26.6時間と削減できました。

今後の課題・展望
「働きやすい会社」から「働きがいのある会社」へ

 2013年以降の働き方改革により、現在では当社は「働きやすい会社」になったと考えております。しかしながら、新型コロナ感染症対策によりフリーアドレス制度を一時的に中止し、固定席での働き方へ変更しているため、従業員間のコミュニケーションが減少しているといった課題もあります。
 「働きやすい会社」から「働きがいのある会社」を目指し、引き続き当社が抱えている課題に取り組んでいきたいと考えています。

従業員の声 制度利用者の声画像

会社の制度を活用することにより
仕事と家庭の両立を実現

コーポレート本部 人事総務課
原田良介さん

テレワーク制度とコアレスフレックス制度を活用することにより子どもとの時間を確保

 私が所属する部署は制度を作ったり、取組を進める部署なので、制度の利用については問題なく行えています。例えばテレワーク制度とコアレスフレックス制度を併用し、在宅勤務時は早めに業務を開始し、できるだけ早めに仕事を切り上げ、家事・育児を行ったり、在宅時の休憩時間等に子どもと触れ合うなどもできており、仕事と家庭の両立を実現しやすい制度となっていると実感しています。

 

(データの取材時点:2021年9月)

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