女性活躍・両立支援に積極的に取り組む企業の事例集

厚生労働省

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2021年度

株式会社システムインテグレータ (情報通信業)

各種制度の導入とコミュニケーションの活性化で仕事と育児の両立を支援

認定マーク

企業プロフィール

設立
1995年
本社所在地
埼玉県
事業内容
情報通信業(パッケージソフト・クラウドサービスの企画・開発・販売等)
従業員数
219名(うち女性46名)
企業認定・表彰等
くるみん認定、プラチナくるみん認定

取組内容

仕事と育児の両立支援フレックスタイム制男性育児参画

特徴的な制度・取組など

  • 多様な制度で、従業員のライフスタイルに合った働き方をサポート。
  • 1on1ミーティングでコミュニケーションの機会を確保。
  • フォロー面談では、男女関係なく出産を控えた従業員に各種の制度を説明。

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インタビュー

  • 管理本部 管理部 人事グループ
    遠藤 あゆ美さん

取組のきっかけ・経緯
従業員のライフスタイルに合わせて選択できる各種制度を導入

 当社は、子育て世代の従業員が安心して育児と仕事を両立できる企業を目指しています。従業員一人ひとりのライフスタイルにあわせ育児短時間勤務・在宅勤務など、選択的に制度を活用できるよう、多様な制度を導入しており、多くの利用実績があります。
 また、これらの制度は、会社が一方的に用意するのではなく、育児世代の従業員の意見を参考にして導入しました。従業員ファーストの理念で作られ、会社も心から応援しているからこそ、実際に使いやすい制度になっています。

職場の様子

具体的な取組の内容
仕事と育児・家庭の両立のために

 当社では、以下のような制度を設けて、従業員の仕事と育児・家庭の両立を支援しています。
 
・フレックスタイム制度
 本制度は働きやすい勤務環境作りの一環として導入しているものですが、子育て世代の従業員も多く活用しています。従来はコアタイム(10:00~15:00)を設定していましたが、現在新型コロナ感染症対策の一環で、コアタイムをなくして運用中です。業務を実施するチームメンバーと調整しながら、柔軟な働き方が可能です。
 
・育児在宅勤務制度
 未就学児がいる従業員は、子どもが小学校に入学するまで何度でも利用できます。
 また、育児在宅勤務制度とは別にリモートワーク制度があり、月6回を上限として全従業員が利用可能としています。なお、現在は新型コロナ感染症対策として、全ての従業員が上限なく在宅勤務できるようにしており、状況に応じて柔軟に対応しています。
 
・所定労働日数短縮勤務制度(週休3日制度)
 週または月の所定労働日数を短縮する制度で、未就学児のいる従業員が利用可能です。規定上、短縮日数には上限がありますが、たとえば隔日勤務、特定の曜日のみの勤務など対象者の希望に合わせて勤務日数を短縮することが可能です。
 
・時間短縮勤務制度
 通常の就業時間(9:20~18:00)から勤務時間を短縮して勤務する制度です。短縮できる時間は所定労働時間の3時間を上限として、従業員の希望に応じて勤務時間を設定できます。在宅勤務制度などと併用しての利用も可能となっています。
 
・子の看護休暇
 子ども1人につき年5日間まで1時間単位で取得でき、ケガや病気にかかった子の世話、予防接種、健康診断など子の健康維持において利用可能な制度です。 取得期間は通常の勤務をしたもの(有給扱い)とみなされ、年次有給休暇とは別の有給の休暇となるため子育て世代の社員は多く利用しています。

1on1ミーティング

 当社では、直属の上司と部下が1対1の面談を行う、「1on1ミーティング」を2か月に1回定期的に実施しています。このミーティングは目標管理面談や業務のミーティングとは違い、普段話せないことを気軽に話したり、自分が話したいなと思ったことを自由に話す面談です。お互いの理解を深めることが主旨ですので、評価とは一切関係ありません。また、1on1をきっかけに自分をより知ってもらう機会にしたり、自分自身に目を向け自らを客観的に考える時間になるよう行っています。
 上記を実施するうえで管理職には1on1のための研修の機会を設けています。うまく部下の話を引き出し、共感して、お互いの理解を深め、良い関係を構築するための方法を学び、1on1ミーティングの目的を達成できるようにしています。

フォロー面談で育児休業等に関する情報をしっかり伝達

 当社では、従来、産前の女性従業員を対象に、従業員本人と人事担当者とでフォロー面談を実施しています。面談では、産前産後休業、育児休業制度に関する内容と、育児休業給付金の支給、社会保険料の免除や税金関係などについて、人事が作成したマニュアルに基づいて説明します。
 最近は、育児休業をする男性従業員も増え、要望があれば、育児休業給付金の支給額や賞与への影響等について、具体的な金額を計算してお知らせするなど、安心して育休を取得できるよう随時フォローしています。

取組の成果・取組を進めたことによる効果等
職場におけるコミュニケーションが活性化

 現在の新型コロナ感染症の拡大により、テレワークも進んでおり、これまでできていた、上司の席に行って話しかけるというような「ちょっとした会話」がしづらくなっています。上述の1on1ミーティングは、コミュニケーションの1つの手段として取り入れ、実施していますが、このような状況下ではコミュニケーション不足を補完することにも役立っています。
 こちらのミーティングの中ではプライベートの話も多く、配偶者が妊娠した、育児休業取得の意向があるといった情報を聞くこともあり、男性従業員の仕事と育児の両立のための取組を進めるための一面もあると考えています。

取組の成果・取組を進めたことによる効果等
使いやすい制度は従業員からの評価も上々

 在宅勤務制度において、オフィス勤務と在宅勤務を併用できるようにした点や、中抜けを可能にした点については、従業員から好評を得ています。子どもの体調不良による通院や私用での短時間の外出など、休暇を取得するまでもない用事や時間休の取得を希望しない場合でも、会社が認める範囲内で対応できるため、良い制度を設けることができたと考えています。
 仕事と育児の両立のための制度は、新型コロナ感染症を機に導入したものが少なくないため、それ以前の働き方と比較することは難しいですが、制約のある従業員も働きやすくなったと感じています。

取組を進めるにあたっての工夫・苦労
男性従業員も取得できる産前休業制度

 通常、産前休業は出産予定日の6週間前から、妊娠した女性のみが取得できる制度ですが、当社では独自の制度を設けており、女性従業員本人が妊娠した場合だけでなく、男性従業員でも、その配偶者の”妊娠が判明したとき”から産前休業(無給)を取得できるよう、2021年9月に制度改定(追加)しました。男女ともに、妊娠したこと(男性の場合には配偶者が妊娠したこと)以外に取得のために特別な理由は必要ありません。
 人によって出産の状況はさまざまですから、全ての従業員がそれぞれに適した選択ができるよう、できるだけ多くの選択肢を用意したいと考え、日々、制度の検討や取組の工夫を行っています。

今後の課題・展望
男性の育児休業取得を推進

 当社では、一人ひとりが働きやすい勤務制度を導入することで、それぞれがライフスタイルに合わせた多様な働き方を実現できるようになっています。今後も社員ファーストの理念を持ち続けながら、仕事と家庭の両立をサポートできる制度を整備していきたいと考えています。
 また、制度を充実させるだけでなく、男性の産休・育児休業取得者を増やし、社内外に男性が育児休業を取得しやすい会社であることを伝えていきたいと思います。

 

従業員の声 制度利用者の声画像

育児休業、子の看護休暇など、使える制度で両立を実現

管理部 情報システムグループ マネージャー
赤尾 真也さん

同僚の話で育児休業取得を検討

 私の妻が妊娠したことを同僚に話したところ、その同僚は育児休業を取得しなかったため、パートナーがとても大変だったようで、「育児休業を取れるなら取った方が良い」と聞き、育児休業を意識するようになりました。
 その後、妻と相談して育児休業の取得を決め、期間を1か月半とし、育児休業取得に向けた業務の調整・引継ぎを行いました。
 育児休業取得の3か月以上前から、業務を引き継いでもらう担当者の育成を行いました。私が一人で実施していた業務もあったため、マニュアルを作成し、社歴の長い人には全体の管理を、若い人には個別の業務を引き継ぎました。
 自分が育児休業を取得することで若いメンバーが私の業務を実施する機会にもなり、力をつける良いきっかけにもなったのではと考えています。

使い勝手の良い「子の看護休暇制度」

 年次有給休暇とは別に、子1人につき年間5日間付与される「子の看護休暇」は、非常に使い勝手が良いと感じています。私は、子どもの定期健診などに参加したいと考えており、丸一日休むほどではないが、どれくらい時間がかかるかわからない場合に、時間単位で休暇を取得できるため、無駄なく利用することができます。
 また、リモートワーク制度に関しても、仕事と育児を両立するにあたって、非常にありがたく思っています。
 各種制度が整備されている会社は少なくないと思いますが、当社は、従業員のために設けられた制度を取得しやすい社風があり、取得する際もとても協力的なので従業員思いの温かい会社だと感じています。

(データの取材時点:2021年9月)

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