前例がない中で産休・育休後復帰
情報番組のMCを9年ほど務め、その期間に結婚と2度の出産を経験しました。第1子を出産したときは、当社が女性活躍推進に舵を切る前で、出産後も仕事を継続している女性は、実家が近くにあるなど、限られた条件の方しかいませんでした。私は、第1子が生後6カ月の時にフルタイム勤務で復帰。夕方のニュース番組を担当していたため保育園のお迎えには間に合わず、ベビーシッターや延長保育などを利用して何とか仕事と両立しました。2人目を出産して復帰したのは2014年。ちょうど会社が女性活躍推進を積極的に進め始めた頃で、何があれば両立ができるか、意見を求められました。周囲の同僚や後輩からも両立についてアドバイスを求められることが増え、「私にもできそう」と、育休を取って復帰する仲間が急速に増えていきました。
また、社外の勉強会にも参加し、自社だけでなく札幌市や北海道、引いては日本全体で女性活躍の動きを作っていくことが大切だと気づきました。
男性の仲間を増やすことで社会を変えていく
1人目の出産時は、出産後も働く女性のロールモデルや、同じ悩みを持つ同僚がおらず不安でしたが、4年後の2人目のときは制度も整い、状況はかなり変わっていました。それでも、「短時間勤務の人には仕事を任せられない」と言われたり、親切心とはいえ「大変だろうから、しなくていい」と、排除されるのは辛かったですね。しかし一方で、いつも気にかけてくれたり温かい声をかけてくれる人がいたことで救われもしました。
今後は、男性の育児休業を増やしていくことが大事だと思っています。女性の数を増やすのには時間がかかりますが、男性の育児休業取得者が増えれば、子育ての悩みを共有できる仲間を増やすことができます。今20代~30代前半の男性は、子育てに参加する人が多いので、この方たちのライフの部分を応援することで、育児だけでなく、介護や自分の病気などとも両立しながら働きやすい環境につながっていくと思います。