女性活躍・両立支援に積極的に取り組む企業の事例集

厚生労働省

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2020年度

北海道テレビ放送株式会社 (情報通信業)

男性の理解者を増やすこと若い世代が変えていくこと

認定マーク

企業プロフィール

設立
1967年
所在地
北海道札幌市中央区
事業内容
放送業
従業員数
179人(うち女性36人)
企業認定・表彰等
くるみん認定、えるぼし(認定段階3)

取組内容

仕事と育児の両立支援男性育児参画女性活躍推進女性職域拡大女性管理職登用

特徴的な制度・取組など

  • 看護休暇を子どもが12歳の年度末までに延長
  • 産前産後の休暇を有給とし8週・10週に延長
  • やむをえない休日出勤時に、育児サービスに要した費用の2分の1を補助 ほか

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インタビュー

  • 総務局総務人事部部長
    兼ワークライフバランス・ダイバーシティ推進部部長 
    阿部 直美さん

取組のきっかけ・経緯
世の中の流れを受け、トップから改革宣言を

 北海道テレビ株式会社は、札幌市に本社を置くテレビ朝日系列のテレビジョン放送事業会社です。地域に根差す放送局として北海道を応援し、北海道のすばらしさを道内のみならず、道外、海外へも発信しています。
 従来、放送業界は男性の多い職場で、長時間労働は当たり前、女性が出産後も働きやすい環境とは言えませんでした。しかし、2016年の女性活躍推進法ができる少し前から、世の中の流れを受け、積極的に女性活躍推進に向けて風土改革に取り組み始めました。
 2012年には「くるみん」マークを取得。また2016年に女性の活躍応援自主宣言を行い、長時間労働の是正や仕事と家庭を両立しやすい仕組みづくり等に取り組み、北海道より表彰されました。翌2017年にはえるぼし3段階の企業に認定されました。当社は、国内の地上波放送局の中で初めて、北海道内の企業としては5社目の認定企業となりました。同年、社長以下全管理職がイクボス宣言を行い、部下のワーク・ライフ・バランスを応援すると同時に、自らも仕事と私生活を楽しむ「イクボス」となることを約束しました。

具体的な制度の内容
制度の充実、長時間労働の是正、女性の登用

 女性が働きやすい環境づくりのため、様々な取組に着手しましたが、代表的なものを以下に紹介します。
・規則の改定
 育児・介護休業については法律の規定どおりですが、子どもの看護休暇については対象年齢を法定を上回る12歳の年度末までに引き上げました。また、産前産後の休暇も法定では6週・8週ですが8週・10週に延長。その間は有給としています。
・両立支援
 やむをえない休日出勤時に子の預かり施設を紹介。子の臨時預かり保育に関し、費用の2分の1を補助しています。また、育児休業で無給となった社員へ基本給の5日分の半額を支給しています。
・長時間労働の是正
 ノー残業デーの取得推進、連続休暇を取得した従業員に対し、「取得奨励金」を支給するなどのほか、毎月半ばに、時間外労働時間が規定を超過しそうな部署の管理職にアラートを発信し、月末に向けて是正するよう促しています。超過してしまった場合は、理由や今後の改善策を報告する義務があります。
・女性の職域の拡大
 採用は、一般職、技術職、アナウンサー職に分けて行われます。かつては、営業や技術職は男性しかいない時代もありましたが、現在はすべての職種で女性を積極的に登用しています。
・女性管理職の登用
 社員それぞれが持つ適正や能力を総合的に判断し登用しています。人材育成を目的とした考課会議である人材開発会議では、社員の成長と活躍の場について話し合います。女性役職者割合を8%から15%へ増やすことを目標としています。

取組の成果・取組を進めたことによる効果等
育休後復帰率100%。男性の育休取得者も

 朝から晩まで情報を発信する放送業という業種がら、育児との両立や女性活躍が難しい面もありますが、少なくとも、出産や育児を理由に退職する女性はいなくなりました。残業時間も大幅に短縮し、女性だけでなく男性にとっても働きやすい環境になりつつあります。
 今年初めて、長期間の男性の育休申請がありました。男性の理解者を増やすためにも、男女問わず育休取得を促進するとともに、その期間の体制づくりなどの課題にも取り組まねばならないと考えています。
 これまで男性しかいなかった営業職や技術職に従事する女性も増えてきました。全体から見れば小さな数ですが、これまで0だったものが1ないしそれ以上になったことの意義は大きいと思います。

取組を進めるにあたっての工夫・苦労
時間がかかっても女性の数を増やしていく

 制度は整ってきましたが、気兼ねなく育休が取れるような風土改革には時間がかかります。女性社員の数が増えることが何よりの解決策ですが、新卒採用は毎年3~5名程度。その中で男女を半々にしたとしても、全体にすると女性比率はごくわずかです。時間をかけて根気よく増やしていくしかないと考えています。

今後の課題・展望
若い世代が時代を変えていく

 育休後復帰する社員が、いかに周囲に気兼ねなく、ストレスなく働けるようになるかが課題だと痛切に感じています。当社では、女性活躍応援自主宣言の中で、「おたがいさまの精神を大切にする風土づくり」を明言していますが、休職中の人員の補填や、周囲のフォローがしっかりしていなければ、結局誰かにしわ寄せがいき、育休を取る人も、周囲の人も不幸になります。かといって、経験や専門性を必要とする仕事が多いため、これといった解決法がなく、悩んでいるところです。
 しかし、私が入社した1992年当時と比べれば、社内の状況は大きく変わりました。時間はかかりますが、女性も増えていくでしょう。男性の育休取得者が増え、子育てを経験する男性が増えれば、社内の理解も急速に広がっていくはずです。これからの若い世代に期待したいと思います。

女性従業員の声 制度利用者の声画像

男性社員の育休取得を推進し
両立の悩みを共有することが
より良い働き方につながる

編成局アナウンス部
兼総務局ワークライフバランス・ダイバーシティ推進部
HTBアナウンサー
担当番組「イチオシ‼」
森 さやかさん

前例がない中で産休・育休後復帰

 情報番組のMCを9年ほど務め、その期間に結婚と2度の出産を経験しました。第1子を出産したときは、当社が女性活躍推進に舵を切る前で、出産後も仕事を継続している女性は、実家が近くにあるなど、限られた条件の方しかいませんでした。私は、第1子が生後6カ月の時にフルタイム勤務で復帰。夕方のニュース番組を担当していたため保育園のお迎えには間に合わず、ベビーシッターや延長保育などを利用して何とか仕事と両立しました。2人目を出産して復帰したのは2014年。ちょうど会社が女性活躍推進を積極的に進め始めた頃で、何があれば両立ができるか、意見を求められました。周囲の同僚や後輩からも両立についてアドバイスを求められることが増え、「私にもできそう」と、育休を取って復帰する仲間が急速に増えていきました。
 また、社外の勉強会にも参加し、自社だけでなく札幌市や北海道、引いては日本全体で女性活躍の動きを作っていくことが大切だと気づきました。

男性の仲間を増やすことで社会を変えていく

 1人目の出産時は、出産後も働く女性のロールモデルや、同じ悩みを持つ同僚がおらず不安でしたが、4年後の2人目のときは制度も整い、状況はかなり変わっていました。それでも、「短時間勤務の人には仕事を任せられない」と言われたり、親切心とはいえ「大変だろうから、しなくていい」と、排除されるのは辛かったですね。しかし一方で、いつも気にかけてくれたり温かい声をかけてくれる人がいたことで救われもしました。
 今後は、男性の育児休業を増やしていくことが大事だと思っています。女性の数を増やすのには時間がかかりますが、男性の育児休業取得者が増えれば、子育ての悩みを共有できる仲間を増やすことができます。今20代~30代前半の男性は、子育てに参加する人が多いので、この方たちのライフの部分を応援することで、育児だけでなく、介護や自分の病気などとも両立しながら働きやすい環境につながっていくと思います。

(データの取材時点:2020年12月)

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