女性活躍・両立支援に積極的に取り組む企業の事例集

厚生労働省

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2020年度

株式会社ディマンシェ (卸売業、小売業)

残業時間の短縮と休日の増加により働き続けやすい職場に

認定マーク

企業プロフィール

設立
2008年
本社所在地
岐阜県岐阜市
事業内容
インテリア全般のコーディネート、販売、施工
従業員数
52人(うち女性35人)
企業認定・表彰等
えるぼし(認定段階2)

取組内容

仕事と育児の両立支援フレックスタイム制短時間正社員制度女性活躍推進

特徴的な制度・取組など

  • キャリアアップパスプラン作成、
  • ライフイベントによる職種変更
  • 時短勤務の充実 など

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インタビュー

  • 常務取締役
    三輪 里佳さん

取組のきっかけ・経緯
女性が長く働ける仕組みづくりが必要

 株式会社ディマンシェは、オーダーカーテンを中心に、照明、クロス、家具、ラグなどインテリアのコーディネート・販売・施工を行う会社です。
 社長も役員も女性で、女性社員の比率も67%と高く、もともと女性が活躍できる職場でした。しかし、販売業という側面から土日が休めない、お客様の都合で仕事が夜遅くになる場合がある、など、子育てをしながら長く働き続けるというビジョンを描きづらいことから、退職する女性が少なくありませんでした。インテリアの仕事は、幅広い知識や専門性が必要です。せっかく培ったスキルがあるのに、キャリアをあきらめるのはもったいない。また、社長や役員も子育て真っただ中であったため、その体験をもとに、5年ほど前から仕事も子育ても両立できる働き方へと転換していきました。

具体的な制度の内容
業務の効率化による残業時間の短縮、休日の増加など

・残業時間の短縮
 最初に取り組んだのは残業時間の短縮でした。業務管理システムを導入し、見積書の作成など事務処理の削減・効率化を図りました。夜9時にはシステムを停止し、強制的に残業をできなくしました。
・職域の細分化
 職域を細分化し、自分の得意を活かした仕事の配分ができるようにしました。それによって、一人が広く浅く、多くの仕事を担うのではなく、たとえば営業なら営業に特化してそれに専念できるようになりました。結果的にそれが、仕事の効率アップにつながりました。
・キャリアアップパスプランの作成
 目標設定を明確にし、半年に1度の面談で、到達度を確認、半年後のなりたい自分像を次の目標として定めます。スキルアップだけでなく、売上に対しても同様に目標と実績を確認。成果が上がれば、給料にも反映されるという仕組みを作りました。将来のキャリアを描きやすくなりますし、がんばればステップアップできることが明確なので、社員のモチベーションアップにつながっています。
・年間休日を増やす
 休日を増やしました。指定有給休暇5日+115日、計120日を休日としています。かつ、確実に休めるよう、年初に、年間スケジュールに指定有給休暇を入れるようにしました。
・グループウエアの導入による情報共有
 グループウエアによって、誰が何をしているのかが一目瞭然になり、急遽欠員ができても、カバーしやすい体制を整えました。
・ディマンシェスタイル
 全社員を対象としたアンケートを実施し、会社に対しての満足度や不満点、改善点などを調査。その結果をふまえ、「ディマンシェスタイル」(仕事と家庭の両立支援ハンドブック)を作成。育休中や復帰後の不安解消に役立てていただいています。
 復帰後は、無理のないペースで働けるよう、気軽に悩み相談ができる窓口を設置。育児休業を取得中の社員に対しては、育休中の在宅講習や職場環境適応講習のほか、職場復帰の直前・直後に講習を行うなど、スムーズな復帰を支援しています。
・その他
 フレックスタイム制度、インターバル制度、リフレッシュ休暇を整備しました。当社では土日も営業していますが、リフレッシュ休暇をうまく使うことで、土日祝日も休めて、家族との時間を持つことができるようになりました。

取組の成果・取組を進めたことによる効果等
離職率の低下、採用面でも効果が

 システム導入により、残業時間を削減でき、また、休日が増えたことで社員のモチベーションも向上しました。結果的に離職率が下がり、採用コストも圧縮できました。
 社内の雰囲気もとてもよくなりました。お互い様の気持ちが根付き、相談しやすく助け合いやすい風土が生まれています。
 えるぼしなどの認定を受けたことで採用面でも応募人数が増加。特に、長く働きたいという向上心のある女性の応募が増えています。
 育休の取得率、育休後の復帰率はともに100%で、出産で辞めないことが当たり前の風潮になっています。

取組を進めるにあたっての工夫・苦労
休日増加による売上低下をどうするか

 休日を増やしたことで、営業が手薄になり、売上が伸び悩むという壁にぶつかりました。対策として、各職種の業務を見直し、無駄な業務を極力なくしました。その他、システム導入による事務処理の効率化や、職務を細分化し、営業なら営業に専念できる態勢を作ったことで、営業効率のアップを図りました。
 また、離職率が減り長く働く人が増えたことで、スキルの高い社員が増え、それが顧客へのよりよい提案やサービスの向上につながり、結果的に売上にも貢献できています。

今後の課題・展望
育休者の補填による人員過剰の回避が課題

 今後の課題は、育休中の人材をどう補填するか。専門性が求められる仕事なので、派遣スタッフで補うことは難しい。かといって、当社のような小規模な会社では正社員を増やす余裕がありません。育休者の復帰後に人員過多にならないよう、たとえばネットショップを立ち上げるなど、業務拡大も検討していきたいと考えています。

女性従業員の声 制度利用者の声画像

子どもたちに
働く自分の背中を見せ
仕事の楽しさを伝えたい

販売部営業
倉地 紗也子さん

育休取得後、パートから短時間正社員で復帰

 2007年に新卒で入社し、名古屋店の販売部に勤務しました。2014年4月から産休・育休に入り、2015年に2人目の子を妊娠し、そのまま産休・育休に。2017年4月にパートタイム勤務でサポート職に復帰しました。翌年1月から短時間正社員に職種変更をし、2019年には販売部の営業職に職種変更をし、現在に至ります。
 入社のときには、結婚や出産後のことまではイメージしていなかったのですが、専門知識やスキルもつき、仕事にやりがいを感じるようになり、出産後もインテリアの仕事を続けたいと思うようになりました。
 会社に相談したところ、ちょうど、出産後も働き続けやすいように様々な改革が始まった頃で、復帰後の働き方や休日のこと、職種変更のことなどにも、柔軟に対応してくれると聞き、大変心強く思いました。
 産休・育休中も、グループウエアに登録していたので、ある程度会社の動きは把握できました。また、会社から資格取得の情報や勉強ツールを送っていただくなど、会社とのつながりを保ちながら休めたのはよかったです。

できないことは助けてもらい、がんばり過ぎない

 パートタイム勤務や短時間正社員の制度を利用できたおかげで子育てと仕事の両立ができていますが、子どもが突然熱を出すこともあり、周囲の人に迷惑をかけることがありました。もともと、バリバリ働きたいほうだったので、思うように働けない自分を歯がゆく感じることもありました。しかし、出産前と同じようにがんばろうと気負い過ぎると、かえって周りに迷惑をかけることもわかってきました。そこで、できること、できないことを整理し、できないことは人に頼んだり、時間をやりくりして仕事を前倒しするなど、上手にさばくコツを会得していきました。
 今はまだ二人の子どもが保育園児で手がかかるため、目の前の仕事をこなすので精一杯ですが、子育てが落ち着いたら、勤務時間を増やし、もう少し業務の幅を広げていきたい。そして子どもたちが、働くことや大人になることに希望を持てるように、活き活きと働く私の背中を見せたいと思います。

(データの取材時点:2020年10月)

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