両立には短時間で生産性を上げるスキルが必要
2005年に中途で採用され、横浜営業所に営業職として配属されました。2009年から産休・育休を取得、年子で出産をしたため、再び連続で産休・育休を取得。約2年強のブランクの後、2011年に復帰しました。
当時はまだ男性が多い環境で、産休・育休後復帰する女性は多くありませんでした。そのような環境の中で長期間の育休を取るためには、実績を上げて必要とされる人材でなければという意識で仕事をしてきました。
勤務は朝早くから夜遅くまで長時間労働が当たり前の業界ですが、子どもがいるため夜遅くまでは働けません。家族の協力と、職場のサポートがあったから働けたと思います。また、短時間しか働けないからこそ仕事を効率化し限られた時間内で実績を上げるスキルが身につきました。
会社側も女性の事情に寄り添ってほしい
2008年頃から会社も女性活躍推進に力を入れ、女性社員が増えてきました。両立支援の制度も次々とでき、私も子どもの授業参観の日に1時間だけ仕事を抜けるなど、時間有給制度をよく利用しました。研修や制度は充実してきましたが、現状、会社の意向とは反対に女性管理職が増えていかないのは、女性が管理職として働きやすい環境が整えられていない点があるのではないかと思います。
例えばわが社では管理職登用の条件の一つに「転勤が可能であること」があります。しかし、子育てや介護など様々な事情でそれができない場合もあります。これは女性だけではなく男性にも当てはまることです。キャリアを積んだベテラン社員が、ある日突然管理者候補からはずれるということが起こるわけで、キャリアアップの観点から社員・会社双方にとって、必ずしも望ましいことだとは言えないでしょう。
現在、会社では、地域限定勤務の制度や転勤できない場合に代替の評価指標を適用するなど、今にも増して柔軟な人事制度を考ええていると聞いています。女性の意欲を引き出し、管理職を目指す女性社員も増えることでしょう。もちろん女性社員自身の意識改革が必要なことは言うまでもありません。