女性活躍・両立支援に積極的に取り組む企業の事例集

厚生労働省

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2020年度

有限会社COCO-LO (医療、福祉)

特別有給休暇を増やし子育てをサポートサービスの質向上にも効果

認定マーク

企業プロフィール

設立
2005年
所在地
群馬県桐生市
事業内容
介護サービス事業、訪問看護ステーション、通所介護、居宅介護支援、フィットネス事業
従業員数
97人(うち女性85人)
企業認定・表彰等
くるみん認定、プラチナくるみん認定、均等・両立推進企業表彰、イクメン企業アワード

取組内容

仕事と介護の両立支援事業所内保育施設短時間正社員制度女性管理職登用

特徴的な制度・取組など

  • 育児休業、介護休業制度の充実
  • 事業所内託児所
  • 男性の育児休業取得率100%を目指す取組を実施
  • 勤務時間の短縮措置(4.5 ~7.5時間)は、小学校6年生修了まで可能(介護中の人が対象) ほか
取組事例ダウンロード 

インタビュー

  • 代表取締役社長
    雅樂川 陽子さん

取組のきっかけ・経緯
女性が働きやすくなければ人が集まらない

 有限会社COCO-LOは、代表の雅樂川 陽子が、29歳のときに訪問看護ステーションを主な事業として起業した会社です。当初は知名度もなく小さな会社だったため、スタッフ探しに苦労しました。
 採用面接でよく聞かれたのが「子どもが熱を出したときに休めますか?」でした。子どもが病気のときに仕事を休むのは夫ではなく妻なのです。女性の負担がいかに大きいかに驚き、どうすればそういう人も心配なく働けるか、家庭を一番に考えつつ仕事でも結果を残せる組織を作れないかと考え、様々な取組に着手しました。

具体的な制度の内容
勤務時間の柔軟化、多様な休暇制度

・勤務時間の柔軟化
 最初に取り組んだのは、勤務時間の柔軟化です。まだ短時間正社員という制度がなかったときに、準社員制度を作り、「子どもを保育園に送迎し、掃除と洗濯もできるなら働ける」「8時始業でなく9時からなら働ける」という声に応えました。
 「扶養の範囲内で働きたい」「子どもの用事で不定期に休みたい」という人には、パート、アルバイトでも働けるようにしました。これらの制度によって、ようやくスタッフが集まるようになりました。
・特別有給休暇の充実
 次に取り組んだのは、特別有給休暇の充実です。従業員にアンケートをしたところ、子どもの病気や行事などで年次有給休暇が足りずに欠勤している人が多いことがわかり、従業員のニーズに応えて、「保育参観休暇」「授業参観休暇」などを増やしていきました。
 子どもの預け先がなくて就職をあきらめる人のために、事業所内託児所も作りました。
 起業当初は子育て世代だったスタッフも、10年、15年が過ぎるうちに、親の介護が必要な年代になり、「介護すぐ取って休暇」、「介護定期受診付添休暇」、「介護楽しんで休暇」など、介護関連の休暇も増やしていきました。
 そのほか、不妊治療をする人のための休暇・短時間勤務等の制度、パパのための産休、育休制度も設けています。
 当社では、毎年妊娠する人が10%くらいいます。創業以来15年経ちますが、その間、50人くらいの子どもが生まれています。男性、女性とも産休育休の取得率は100%(対象者中)です。

取組の成果・取組を進めたことによる効果等
サービスの質の向上、離職率は低下

 従業員の働きやすい環境を整えたことで、仕事にゆとりが生まれ、利用者に提供するサービスの質は向上したと思います。また、起業当初は3人に1人が短期間で辞める状況でしたが、今では離職率は10%程度で推移しています。求人広告に応募してくださる人の質も高くなりました。口コミで当社の評判を聞き、求人広告が出るのを待っていたと言ってくださる方もいます。

取組を進めるにあたっての工夫・苦労
個が輝き、自分らしい働き方を選択できる

・要望を聞く代わりに、結果も出すこと
 当社の育児・介護支援制度は、従業員のニーズを受けて、トライ・アンド・エラーを繰り返しながら整備していきました。しかし、要望は言い出すときりがなくなるものです。要望は何でも聞き入れる一方、1年間で使われなかった制度は廃止したり、要望を言うだけでなく責任を果たすことも求めました。
 たとえば、利用者様の満足度を数値化し、目標を立て、結果を出すよう求めました。ポイントが上がれば評価しますし、下がればなぜ下がったか、理由を考えさせます。「休んでばかりいたら、利用者様の評価が下がった」となると、従業員も「自分のことばかり考えていてはいけない」と気づき、行動を改めるはずです。
 このように、試行錯誤しながらですが、制度が精査され、従業員のモチベーションも向上してきました。
・一人ひとりが自立した組織に
 当初はトップダウン型のマネジメントを行っていましたが、従業員が増え、また、私が妊娠出産をしたこともあり、スピード感のあるマネジメントができなくなりました。そこで役割分担を明確にし、権限委譲を行って、自分たちで考えて仕事を回していく、エンパワーメント型の組織に転向していきました。このため、一人ひとりが自立して力を発揮できる組織になったと思っています。
・キャリアアップもキャリアダウンも自由
 当社の従業員は、看護師、介護士、ケアマネージャーなどの有資格者がほとんどです。有資格者には手当がつくため、やる気のある人はどんどん資格取得をし、ステップアップしていきます。リーダーや管理職になっていく道もあります。しかし中には、子育てに専念したい、介護や自分の通院のためにペースダウンしたい、職位が下がっても自由なほうがいいという人もいます。個々の価値観やライフスタイルに合わせて、キャリアアップもキャリアダウンも自由に選択できることは当社の特徴です。

今後の課題・展望
学び続け、質の高いサービスを提供できる企業へ

 今後、介護事業所は淘汰される時代です。生き残るためには、職員一人ひとりの質の高さが求められるでしょう。会社としては、学びの機会をなるべく多く提供し、従業員の実力を上げていきたい。事業展開は今以上に広げるつもりはありませんが、一つひとつが他にはまねできない高い質を誇っている、そういう会社にしていきたいと考えています。

女性従業員の声 制度利用者の声画像

子どもの成長を見守りつつ
仕事によって
自分も成長できた

居宅介護支援所
ケアマネージャー
吉羽 雅美さん

子育てを楽しみつつ、仕事も継続できた

 以前は看護師として働き、ケアマネージャー資格も取得。その後ケアマネージャーとして働きましたが、妊娠後、休職していました。職探しを始め、土日休めることが魅力で当社に再就職を決めました。看護師の仕事は土日勤務や夜勤もあり子育てとの両立が難しいと考えたからです。
 当初はパートからスタートし、子どもの小学校入学を機に短時間正社員に、中学校入学を機に正社員に転向しました。柔軟に勤務時間を選べたことで、子どもの成長を楽しみながら働くことができました。と同時に、働き続けることで、これまでに身につけたスキルを錆びつかせずに生かすことができました。
 学校行事にも、授業参観休暇を利用して参加しています。他の従業員も、皆、同じように子育てしながらの勤務なので気兼ねすることもなく、また、学校行事が重なるときは、相談し合って調整するなど、助け合っています。

制度をうまく利用して長く働き続けたい

 ここ2~3年は、介護関連の制度も利用しています。親が急遽入院したときは、「介護すぐとって休暇」、通院時にも「通院付き添い休暇」という制度があり、助かりました。こうした制度には、「休暇をとっていいからがんばって働き続けて」という会社からのメッセージが込められているような気がして励まされました。
 年に2度、管理者と1対1の面談があり、仕事のことだけでなく、家庭状況もよく聞いてくれるのもメンタル面で大きな支えになっています。
 当社では、何か困ったことがあっても、すぐに相談しやすい雰囲気があります。それだけでなく、「どうすれば働き続けられるか」を一緒に考えてくれ、実現できることであれば新しい制度を作ってまで対応してくれる。ここまでしてくれる会社はなかなかないと思います。ここなら、家のこともしっかりやりながら続けられると思っています。
 家族の状況や自分の体調も、今後変わるかもしれませんが、いろいろな制度を使って長く働いていきたい。それが当たり前の世の中になることを願っています。

(データの取材時点:2020年10月)

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