女性活躍・両立支援に積極的に取り組む企業の事例集

厚生労働省

女性の活躍推進・両立支援総合サイトトップ > 女性活躍・両立支援事例集トップ(事例検索) > 企業事例

2020年度

オタフクソース株式会社 (製造業)

両立支援や働き方改革と生産性の向上を両立社員が活き活き働ける職場に

認定マーク

企業プロフィール

設立
1952(創業1922)年
所在地
広島県広島市
事業内容
ソース、酢、たれ、その他調味料の開発・製造・販売
従業員数
グループ全体の正社員620人(うち女性221人)
企業認定・表彰等
くるみん認定、えるぼし(認定段階2)

取組内容

仕事と育児の両立支援テレワークフレックスタイム制再雇用制度男性育児参画事業所内保育施設短時間正社員制度

特徴的な制度・取組など

  • 子どもが小学校3年の3月まで短時間勤務制度を導入
  • 妊娠・育児を機に会社を辞めた方への退職者再雇用制度を導入
  • 事業所内保育園を設置
  • 在宅育児手当を支給 ほか

データベース・両立支援のひろばを見る

取組事例ダウンロード 

インタビュー

  • オタフクホールディングス
    株式会社 人事部 部長
    島原 由里子さん

取組のきっかけ・経緯
1人の女性社員の声がきっかけに

 オタフクソース株式会社は、国内・海外あわせて6つの生産拠点を持ち、主力のお好みソースのほか、酢・たれなど自然の美味しさで安全・安心な調味料を製造している会社です。
 2005年頃から女性が働きやすい環境づくりに取り組んでいます。発端は、弊社が当時、毎年行っていた社長への提言でのこと。ある女性社員から、「社内に保育園があると働き続けられる」という声が挙がりました。当時、弊社の女性社員のほとんどは結婚や出産で退職していたのです。その少し前の1999年に、少子化対策として政府がエンゼルプランを発表しており、当社としても、「オタフクエンゼルプラン」を発表。人事部を中心に、子育てと仕事を両立し長く働ける環境づくりに着手しました。

具体的な制度の内容
手厚い育児支援、多様な勤務体系

  ・子育て・両立支援
 最初に取り組んだのは子育て支援です。育児休業を子どもが1歳6カ月まで無条件で取得できるようにし、復帰の際には短時間勤務を選択できるようにしました。また、一度退職して子育てに専念した後復職したい人のために、再雇用制度を導入。パート社員⇔正社員の勤務転換も可能にしました。これにより、多様な働き方が選択できるように。
 企業内保育所も、2009年に完成。0歳から子どもを預けることができるようになりました。
 男性の育児参加も奨励しており、配偶者の出産時の特別有給休暇や育児休暇も付与しています。
・地域限定勤務制度
 女性の離職理由の一つに転勤があります。以前は男女とも全国に転勤の可能性がありましたが、2010年に、本人の希望により勤務地を全国型か地域限定型か選択できるようにしました。地域限定型を選択した場合、昇格は課長までという制約がありましたが、2014年にはこれも撤廃しました。
・テレワーク・時差出勤
 2019年から、テレワーク・時差出勤を導入しました。時差出勤は、就労時間数は変えず、始業時間を自分の都合でずらすことができる制度です。朝、子どもを病院に連れて行くなどの時に利用できると好評です。
・有給休暇取得の促進・長時間勤務の排除
 「有給休暇は病気ややむをえないときにだけ使う」というイメージを払拭するため、「ノーリーズン(理由なく自由に使える)休暇」と名称を変更。年間5日間の連続取得を義務化しています。また、2016年に個人の事情により細かく対応できるよう1時間単位での有給休暇を設定しました。さらにメリハリのある働き方をしてもらうために、有給休暇の日数を新入社員から1年間で20日間取得できるようにしました。短時間勤務の人も気兼ねすることなく、また社員のモチベーションアップのためにも業務を効率化して、長時間労働によらない働き方を実践しています。

取組の成果・取組を進めたことによる効果等
女性が継続して働けるように。働き方の改革にも

・子育て・両立支援の成果
 2004年・2019年の比較では、女性の平均年齢29.3歳⇒34.5歳、女性の勤続年数5.7年⇒11.1年以上に。女性の離職率は10.4%⇒2.6%に減少。数字ではっきりと効果が表れています。育児休業後の復帰率は100%。復帰後は9割以上が短時間勤務を利用。子どもの様子をみてフルタイム勤務に移行しています。男性の育休取得も増えており、日数はまだ平均2~3日と少ないですが、直近では3~4割が利用しています。社内の雰囲気としても、子育てしながら働くのが当たり前になっていると感じます。
・テレワーク・時差出勤
 テレワークはコロナ流行以前より導入していましたが、積極的な利用につながっていませんでした。ですが、コロナ禍を機に、利用率は大きく高まり、その結果、「思ったほど業務に支障がない」「むしろ生産性が上がる場合もある」などがわかり、固定概念が払拭されました。時差出勤についても同様。子育て中の人からは助かっているという声が多く聞かれます。
・有給休暇取得の促進・長時間勤務の排除
 2014年に42%だった有給休暇の取得率は、2020年には81%にまで上がりました。残業時間も激減しています。ワークライフバランスを保ちながらメリハリのある働き方ができることで、特に若い世代のモチベーションアップにつながっています。

取組を進めるにあたっての工夫・苦労
利用してもらうために制度の周知は丁寧に

 他社の事例も参考にしましたが、社員の声を聴きながら当社の事情に合わせた改革を進めてきました。当初は、仕事に支障が出るのではと懸念を示す声もありましたが、トップ自らが旗振り役となって改革を牽引し、社員自ら各職場で考え取り組んだため、比較的スムーズに制度改革が進みました。
 新しい制度ができる度に全社員を対象に説明会を行ったり、事例を社内報に掲載するなどし、周知に努めてきました。せっかくできた制度を利用してもらうためにも時間をかけて社員の声や制度周知を行うことは重要だと思います。

今後の課題・展望
働きやすい環境と生産性とのバランスが課題

 多様な働き方に柔軟に対応しつつ、チームワークを高め生産性も上げる、効果的な仕組みづくりや運用が目下の課題です。中長期的な課題としては、今後は社員一人ひとりが活き活き活躍できる組織にすることを目指しています。社員が自らのキャリアをデザインし、やりがいを持って仕事に取り組めるよう会社としても本人の考えを最大限に活かした配置や育成を行い、個人と組織のニーズの整合をとりながら、仕組みづくりに着手しているところです。

女性従業員の声 制度利用者の声画像

制度やロールモデルに恵まれ
さらなるキャリアアップを目指す

オタフクソース株式会社
設計開発部 設計課
長尾 明里さん

制度を利用し二児を育てながら仕事と両立

 2008年に入社、2011年10月から現在の部署に配属されました。その後、結婚・出産し、産休・育休を経て子どもが1歳半のときに復職。その半年後に、第2子出産のため産休・育休に。2人目のときは1年間で復職しました。
 第1子から企業内保育所を利用しました。保育園の心配をしなくてよかったのはありがたかったです。
 育休中も1ヵ月に1回、部署長とWeb上で連絡を取り合う仕組みがあり、会社の情報を知ることができました。育休中、社会とのつながりがあることは、安心感がありました。希望をすれば講習会も受講できるので、自分の業務に関連する食品表示法の講座を受講させていただきました。毎月2万円の在宅育児手当が支給されるのも大変助かりました。
 産休・育休に入る場合は、休業前面談、復帰前面談があり、復帰後の働き方を相談できたのは心強かったです。
 復帰直後は、1日6時間の短時間勤務を、その後、育児との両立に慣れてきてから7時間勤務に切り替えました。働き方の選択肢があることは非常にありがたいですね。
 時差出勤とテレワークも利用しています。コロナ禍で上の子の小学校が休みになり、テレワークがあったことは大変助かりました。時差出勤も子どもの用事を朝済ませてから出勤することができ、とても重宝しています。

制度だけでなく、上司、家族など周囲の協力も重要

 私が入社した頃は、子育て支援の制度が導入された後で、育休後復帰して働く女性もたくさんいました。上司も女性で、身近にロールモデルも多いので働き辛さを感じることはありません。しかし、時間内に仕事をすませるためには、時間の使い方や仕事の効率化の工夫が課題です。
 今は、目の前のことで手一杯ですが、先日上司からチャンスをいただき、夫の協力も得て泊まり出張をこなすことができました。これが一つの自信になりました。今後も小さなチャレンジを積み重ねて、キャリアアップも目指していきたい。そのためには制度も必要ですが、それだけでは難しい。周囲の理解や協力も重要だと痛感しています。

(データの取材時点:2020年10月)

PAGE TOP